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■NK細胞の発見はいまから30年以上前
ガン細胞を見つけだして攻撃し、それを死滅させるNK細胞が発見
されたのは、いまから30年以上前の1973〜1974年頃のことです。
それまでにも免疫細胞がガン細胞を攻撃するということはわかって いました。 ただ、攻撃するには免疫細胞がガン細胞に関する情報を持
っていることが必要だ、と考えられていたのです。 つまり、情報を有しているガン細胞には有効だけれど、情報を持た ないガン細胞にはまったく適用しないと思われていました。
ところが、実験でそのことが否定されました。 あるガン患者から採取した血液の中に、患者が罹っているのと同じ ガン細胞を入れてフラスコで培養したところ、免疫細胞はガン細胞を
攻撃して殺してしまいました。 一方、別のガン患者から同じく血液を採取し、患者が罹っているの とはちがうガン細胞を一緒に培養した実験では、やはり同じようにガン細胞は攻撃を受け、免疫細胞によって殺されていったのです。
従来の考えでは、種類のちがうガン細胞の情報を持たない免疫細胞 は攻撃できないはずなのに、それが否定されたことになります。 結論 として、免疫細胞の中にガン細胞の情報があるかないかにかかわらず、
ガン細胞を見つけたらとにかくそれを攻撃し、死滅させてしまう「抗 ガン細胞」が存在するということがはっきりとしたのです。
それまでに知られていたT細胞でもなく、B細胞でもなく、まして
やマクロファージでもないこの細胞は、1986年の「自然免疫国際 シンポジウム」においてNK細胞と命名されました。
NKとは「ナチ ュラル・キラー」のことで、自然免疫というニュアンスを投影させたものとなっています。
■NK細胞はどうやってガン細胞を破壊するのか
NK細胞はT細胞やB細胞と同じく、白血球の中のリンパ球です。
しかし、T細胞やB細胞とちがうのはガンなどの腫瘍細胞に対して自発的な細胞毒活性を持った細胞群であることです。 この細胞毒活性は 腫瘍細胞に対する反応としてはもっとも強力なものとされます。
常に体内をパトロールしていて、ガン細胞やウイルス感染細胞を見 つけるとすぐに攻撃(結合)し、約5分以内に破壊してします。 そのプロセスは次のようです。
@何らかの原因によって体内にガン細胞が発生します。
ANK細胞はガン細胞を見つけると、すぐに結合します。この結合は、ガン細胞のレセプター(受容体)にNK細胞のレセプターが一体となることで実行されます。 BNK細胞はガン細胞よりもずっと小さく、ハート型をした核を持っていますが、この核の周辺の細胞質にはたくさんの顆粒があります。
C結合したNK細胞からガン細胞に向けて顆粒が移動していきます。 D顆粒はガン細胞に弾丸のように打ち込まれます。 Eガン細胞には無数の穴が開いた状態となって、結合からはぼ5分で死滅してしまいます。
以上のプロセスからもわかるように、ガン細胞にとどめをさすのは NK細胞の中にある顆粒の毒性物質です。 この顆粒はいってみればピストルの弾丸のようであり、確実にガン細胞を死に追いやります。
ガン細胞を捕捉するNK細胞の動きは活発で、次から次へと攻撃の手をゆるめません。 仮に2個のガン細胞とNK細胞が接触すると、ま ず一方のガン細胞を死滅させ、次いでもう一方のガン細胞を同じように死滅させます。
その後、死滅したガン細胞から離れたNK細胞は、また別のガン細胞をとらえ、攻撃を続行するのです。
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