■ガンの本格的研究は17世紀以降
ガンという病気は、一体いつ頃から人の生活史の中に登場したのでしょうか。 古代エジプトのミイラの中に、ガンによる死を示すものがあるそうです。 ということは、ガンの出現は人類の歴史とともにあったといえそうです。
医聖と称される古代ギリシアの医学者ヒポクラテスの著作には「カルキノス(karkinos)」という言葉がありますが、これは 「ガン (cancer)」の語源となっています。
日本では江戸時代末期の紀州の医師、華岡青洲が「巌、岩、殻」な どの文字を乳ガンに当てています。 青洲はわが国で最初に麻酔による乳ガン手術をしたことでも知られていますが、これは、乳ガンが皮膚に露出して、腫瘤が岩のように見えたからだといわれています。
紀元前4世紀頃、古代エジプトではガンと潰瘍(良性の腫れ物)とは明確に区別されていたようです。 そして、当時からガンは致命的な疾患であるという認識がありました。
しかしながら、ガンそのものに対する本格的な研究が始められたのは17世紀以降のことです。 人体解剖学が登場し、精細なガンの観察が行われるようになりました。
そして1775年、イギリスの外科医であるポットが煙突掃除人の陰嚢に皮膚ガンができることを観察したことによって、ガンの研究は飛躍的に進展しました。
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